繊細さんは高い感受性と敏感な気質を持った傾向にあるため、疲れやすさを感じることが多いのではないでしょうか。
- 「お仕事で疲れたから休日は一日中ずっと寝ていたい…」
- 「身体がだるくて休日は何もしたくない…」
- 「今日は仕事だけどギリギリまで寝ていたい…」
繊細な人でなくとも、みなさん一度はこのようなことを感じたことがあると思います。
こうした疲労のしわ寄せを避けるためには日頃から休息をしっかりとり、毎日の楽しみや悩みの解決をすることが大切です。
しかし、疲れを感じてしまう根本原因を見つけて適切に対処していかないと、ストレスの蓄積に繋がり心身への影響を及ぼしてしまう可能性があります。
「一日中ずっと寝ていたい」という状況が連日続いたり特定の日のみ発生したりなどする場合は、うつ病や適応障害といった精神疾患が発症している可能性もあります。
私の経験からもこうした状況になる前に疲れを感じてしまう原因を見つけて、日々のストレスを軽減していくことをおすすめします。
順を追って疲れを感じる原因の見つけ方と、対策について確認していきましょう。
「寝ても寝ても眠い…」繊細さん(HSP)が疲れてずっと寝てしまう原因
厚生労働省の公開している健康づくりのための睡眠ガイド 2023によると、睡眠は個人のライフステージに合わせて下記のように推奨しています。
画像出典:厚生労働省 健康づくりのための睡眠ガイド 2023 3. 睡眠に関する推奨事項 図2より
推奨データから、成人の場合は6~8時間を目安に睡眠時間を取るのが良いと考えられます。
しかし、多忙な毎日を送っていると推奨された時間よりも睡眠が短かったり、逆に疲労から眠りすぎてしまうというケースもあるでしょう。
具体的に、睡眠時間の過不足が起きてしまう原因には、どのようなことが考えられるのでしょうか。
生活習慣の乱れ
生活習慣の乱れは、睡眠時間の過不足や質の低下につながります。
- 不規則な生活
- 夜更かし
- 運動不足
- バランスの偏った食事
- 飲酒・喫煙
上記は一例ですが、生活習慣の乱れに繋がる要因となります。
多忙な現代人にとって生活習慣を整えるというのは難しく、不規則になっていることも多いのではないでしょうか。
対策は後述しますが「これなら自分でもできる!」というところから、少しずつ生活習慣を改善していくことが大切になります。
疲れていると食事なんかは簡単に済ませちゃったりするよね…
睡眠環境が悪い
睡眠環境が悪いとなかなか眠れず睡眠時間が短くなったり、途中に何度も目が覚めてしまうといった事があります。
そのため、疲労が少しずつ溜まり続けしまい、休日に長く睡眠を取って補おうとする心理が働くことになります。
- 外からの物音や話し声が気になる
- 部屋の湿度・室温が適切でない
- 枕や布団があっていない
- 睡眠直前までスマホやテレビなどを見ている
こういった状況から、睡眠環境の低下につながってしまいます。
生活習慣の乱れと同様に、睡眠の過不足につながる1、2を争う課題です。
外的要因を排除するのは難しいですが、内的要因については可能な限り改善していくことが望ましいです。
寝る前のスマホ操作はありがちだよね!
生活環境の変化
生活環境が大きく変化した際のストレスが影響するケースで、年や年度の変わり目などには特に多いです。
- 転職
- 転勤・部署異動
- 引っ越し
- 結婚
- 妊娠・育児
例え環境の変化がプラスなものに見えていたとしても、環境が変わった時にすぐ適応するというのはなかなか難しく、本人に自覚がなくても少なからずストレスを蓄積していることが多いです。
ストレスの蓄積は心身の疲労に繋がり、はじめは集中力の低下程度のものであっても、蓄積量が増えるとイライラや不眠の慢性化やなど日常生活に影響を及ぼしてしまいます。
ライフステージの変化は不定期だから疲れるのよね…
薬の副作用
市販薬や処方箋などの副作用から、強い眠気を感じてしまうこともあります。
- 鼻炎薬
- かぜ薬
- 処方箋
薬物療法自体は適切な処方であれば悪いことではありません。
薬の影響で強い眠気を感じるようであれば、医師に相談してみることが良いでしょう。
薬は用法・用量を守って、正しく使うことが大切です。
自分に合わない市販薬を使い続けている可能性はあるかも…
精神疾患の可能性
疲労やストレスから精神疾患を発症してしまっているケースです。
- うつ病
- 不眠症
- 適応障害
- 統合失調症
- 不安・抑うつ気分
代表的なものを例として挙げましたが、いずれも快復するまでにしっかり療養を必要とするものになります。
疲れや眠気が慢性的になっているようであれば、一度心療内科や精神科といったものを受診することを強くおすすめします。
自分でも気が付かないうちに、心身に大きな影響が出ている可能性があります。
早めに症状に気づいて、医師の指示を受けながら快復へ向けていくことが大切です。
こころの快復はとても時間がかかります…
睡眠の過不足による心身への影響
睡眠時間の過不足が繰り返されることで、自律神経の乱れにつながります。
「仕事の日は遅刻するわけにはいかず睡眠が浅くなり、休日はその分長い睡眠でカバーする…」
このような不規則な生活を送ってしまうと、次第に睡眠サイクルが崩れていきます。
気力や活動量が低下し、ネガティブ思考やモチベーションの低下といった問題へと発展していきます。
こうした状況から、うつ病や適応障害といった精神疾患が発症してしまうケースは多いです。
可能な限り毎日の睡眠時間を保ち、自身にとって適切な睡眠時間を見つけていくことが重要となります。
「心身」の文字通り、片方に影響が出るともう片方もリンクして悪影響を受けやすいです…
繊細さん(HSP)が疲れを取るための対策
疲れを取るために一番大切なことは、規則正しい生活リズムを取り戻すことと言えるでしょう。
生活習慣や睡眠環境の改善から始め規則正しい生活リズムを整えることで、疲れのためづらい身体を作ることができます。
また、ストレスの軽減やリフレッシュの機会を作るなど、こころのケアを行うことも有効です。
では、具体的にどのような対策が考えられるのか確認していきましょう。
生活習慣の改善
一日の生活リズムを整えるため、大まかな予定やルールを決めることから始めましょう。
- 朝は6時に起床してカーテンを開ける
- お昼ご飯は12時に食べる
- 20時以降は就寝前に飲酒・喫煙をしない
- 21時までにお風呂に入り就寝準備を始める
上記は一例ですが、自分が無理なくできる生活スタイルを考えてみてください。
ポイントは、「〇時には〇〇をする・しない」と具体的な時間を設定することです。
しかし、いきなり時間帯を決めて生活習慣の改善が難しいという人もいることでしょう。
その場合は、後述の「睡眠環境の改善」から始めてみて、次第にできる範囲で時間帯を決めていくことをおすすめします。
できれば食事の栄養バランスにも気を使ってみてね!
睡眠環境の改善
しっかりと睡眠を取るために、睡眠環境の改善は欠かせません。
- 自分に合った寝具を新調する
- 芳香剤・アロマでリラックスできる空気を作る
- お気に入りのアーティストの音楽を流す
- 睡眠1時間前にはスマホ・テレビを控える
このような対策で、落ち着いて睡眠に入れる環境を用意してみましょう。
特に、寝る直前までスマホの画面を見ているという人はいらっしゃると思います。
スマホの光は「ブルーライト」と呼ばれる波長をもっており、目や脳への刺激が強いため寝つきが悪くなってしまいます。
少なくとも就寝の1時間前にはスマホやテレビ・パソコンなどの画面類は見ないようにすることをおすすめします。
一人一台スマホ所持になりつつある現代では「あるある」の問題だね…
起きたらすぐに日光を浴びる
疲れてしまうと一日中寝ていたい気持ちは私もとても共感できます。
しかし、外に出て日光を浴びたり軽い散歩をすることも、生活リズムを整えるために必要な要素です。
朝起きたら、まずはカーテンを開けて陽の光を身体に浴びましょう。
日光を浴びることで一日の始まりを感じ、体内時計の調整することはとても大切です。
また、なるべく日の沈まないうちに散歩や軽いジョギングを行うことも、睡眠環境の改善にはおすすめです。
身体で日光を浴びれるだけではなく適度な疲労感を感じることで運動不足の解消ができ、睡眠に入りやすくなる効果も期待ができます。
寝る前だけではなくて朝から睡眠環境の改善手段もあるんだね!
無理せず休息をとる
たとえ規則正しい生活習慣や睡眠環境を整えていても、人間ですので体調を崩してしまったり倦怠感が強くなってしまうこともあるでしょう。
そういった場合は無理せずにやるべきことだけをやったら、あとは思い切って心身の回復に努めてみましょう。
心身の不調は、SOSのサインです。
頑張ろうと無理をするのではなく、必要なこと以外は何もしない勇気も時には必要です。
繊細さんはまじめで頑張りすぎてしまうこともありがちです。
医師に相談
- 「なかなか生活リズムを整えられない…」
- 「布団に入ってから何時間も目がさえてしまう…」
- 「睡眠時間は取れているのに全く疲れが取れない…」
このように感じることが多い場合は、一度医師に相談してみることをおすすめします。
自覚がなくても、実は睡眠障害やうつ病といった状態になっている可能性があります。
一人で頑張りすぎてメンタルを崩してしまっては元も子もありません。
こころに余裕がないと自分のことも見えないことあるよね…
まとめ
- 疲れて一日中寝ていたいと思ってしまう原因は、生活習慣の乱れや睡眠環境が適切でないケースが多い
- 睡眠の過不足が続くと自律神経が乱れ心身への負担が大きくなり、精神疾患などへつながってしまうケースもある
- 自分にできることから生活習慣や睡眠環境の改善、外に出て日光を浴びる機会を増やすなどの対策が重要
今回は、繊細さんが疲れて一日中寝ていたいと思ってしまう原因や、生活リズムが崩れることによる心身への影響・対策について解説しました。
睡眠は人間の三大欲求の一つである「睡眠欲」であるため、生活の一部から切り離せるものではありません。
そのため、生活リズムの整わない生活をしていると、満足に睡眠がとれずに心身へ影響を及ぼしてしまう可能性があります。
生活リズムを整えるためには生活習慣や睡眠環境の見直しのほか、身体を動かしたり栄養のある食事をバランスよく食べるなど、自分で対策できることは意外と多くあります。
自分の一日を思い返して、改善できるところがあればできるところから着手していくことが大切です。
また、一人で改善していくことが辛い状況であれば、クリニックなどで医師に相談してみることも一つの手段です。
現状を伝えることで、どういったことをすればよいのかをアドバイスしてもらえるほか、必要に応じて薬を処方してもらうこともできるでしょう。
精神疾患に陥っていないかも判断してもらうことができるため、少しでも不調を感じたらなるべく早くかかっておくと安心ができます。
こころが不安定だと、自分の症状を自覚できていないことも少なくありません。
生活リズムを取り戻し、うつ病や睡眠状態といった精神疾患になる前に、早めの対応をしていくことはとても重要です。
自分の心身の状態を知り素敵な毎日を過ごせるよう、ぜひ一度ご自身の生活環境を見直してみてくださいね。
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